真言宗御室派の総本山である仁和寺は住職を皇族や公家が務める門跡寺院で、日本で初めて門跡寺院と呼ばれるようになったのがこの仁和寺です。
背丈が低く他の桜に比べて遅咲きが特徴的な御室桜が有名な寺院ですが、他にも京都三大門に数えられている「二王門」や国宝に指定されている「金堂」など、見どころがたくさんあります。
参拝にはおおよそ1時間程度かかるほど広い仁和寺について、3つの見どころを含め、歴史や豆知識も紹介します。
仁和寺の見どころ3選
それぞれ詳しくご紹介していきます。
見どころ① 御室桜
日本のさくらの名所100選に選ばれ、京都でも有数のさくらの名所となっているのが仁和寺です。
ここには御室桜(おむろさくら)と呼ばれる桜が植えられています。
平安時代の後期の文書にも仁和寺の花見に詣でたという記録があるため、仁和寺は平安時代にはすでに有名な桜の名所だったことが分かります。
1780年に観光されている「都名所図画」に仁和寺の御室桜の様子が描かれていますが、この時代は現在の名勝指定エリアよりも広い範囲に御室桜が咲いていたことが分かります。
仁和寺の境内に咲く桜は一般的に「御室桜」と呼ばれていますが、実は「御室桜」という品種の桜はありません。
仁和寺に植えられている御室桜の約9割は「オムロアリアケ」という品種で、その他には車返しや御衣黄、欝金、普賢象といったサトザクラです。
春に仁和寺に訪れるという場合は、他の桜よりもやや遅めに咲く仁和寺の御室桜を見に行ってみてください。
見どころ② 金堂
仁和寺の境内の北側に位置する金堂は、一般的な寺院の金堂とは趣が異なる建物です。
この仁和寺の金堂はもともと御所にあった内裏紫宸殿を移築したもので、宮殿建築の様式の建物だからです。
実は現存する最古の紫宸殿として国宝にも指定されている建物です。
仁和寺の金堂としてなぜ紫宸殿が移築されてきたのかは、仁和寺が門跡寺院であることが関係しています。
平安時代の初期に光孝天皇の勅願により建てられ、宇多天皇によって完成した寺院で、宇多天皇が出家した後に仁和寺の境内に僧坊を経てて暮らしました。
天皇家との関わりが深いために、仁和寺には紫宸殿が移築されてきたのです。
現在金堂内にはご本尊である阿弥陀三尊をはじめ、四天王像や梵天像なども安置されています。
見どころ③ 二王門
京都には大きな門を持つ寺院がいくつかありますが、仁和寺の二王門も高さ18.7mと巨大で、京都三大門の1つに数えられています。
他の門と異なる点としては、仁和寺の二王門は道路に面した場所にあり、気軽にみられる点です。
入母屋造の本瓦葺の重層門で、平安時代の伝統を引く優美な姿が特徴的です。
仁和寺の各季節の楽しみ方
仁和寺の歴史や豆知識
仁和寺は886年に光孝天皇が発願し宇多天皇により888年に開創された寺院です。
897年に宇多天皇は退位し上皇となり、899年に仁和寺にて落飾し法皇となった後に904年には仁和寺に御室を造営し移り住んでいます。
この後も皇族や公家が仁和寺の住職となったことから、仁和寺は門跡寺院と呼ばれるようになりました。
皇族から厚い信仰得た仁和寺は鎌倉時代に隆盛しましたが、その後室町時代に入り発生した応仁の乱によりそのほとんどが焼失するという災禍にあっています。
しばらくの間荒廃した仁和寺ですが、1634年に徳川家光が支援したことで再興し、五重塔や二王門などが建立し、金堂には紫宸殿が移築されました。
仁和寺といえば御室桜が有名ですが、仁和寺にある桜は全体的に背丈が低く遅咲きであるという特徴を持っています。
長い間仁和寺の桜の下には硬い岩盤があることがその理由とされてきましたが、岩盤ではなく粘土質の土壌が広がっていることが分かったそうです。
背丈が低いことで間近に桜を愛でることができる仁和寺の桜の下では、平安時代にはすでに花見をする人が集まり思い思いにお花見を楽しんでいたことが記録により分かっています。
仁和寺の参拝時間と料金
名称 | 真言宗御室派総本山仁和寺 |
拝観時間 | 午前9時から午後5時まで(受付終了は午後4時30分)
12月から2月の間は午後4時30分拝観終了 |
拝観料 | ・仁和寺御所庭園 大人800円 高校生以下無料
・霊宝館(期間限定)大人500円 高校生以下無料 ・茶室(遼廓亭・飛濤亭)1,000円 ・御室花まつり特別入山料 大人500円 高校生以下無料 |
住所 | 京都府京都市右京区御室大内33 |
お問い合わせ | TEL 075-461-1155(受付時間午前9時から午後5時) |
公式サイト | https://ninnaji.jp/ |
仁和寺のアクセス
【公共交通機関で向かう場合】
京都市営バス「御室仁和寺」バス停からすぐ
【車で向かう場合】
名神高速道路「京都南」ICまたは「京都東」ICから約40分
仁和寺の駐車場
仁和寺周辺の駐車場の状況についてまとめます。
無料駐車場
仁和寺には残念ながら無料駐車場はありません。
有料駐車場
駐車場名 | 仁和寺駐車場 |
住所 | 京都市右京区御室大内33 |
料金 | 普通車(9人乗りまで)500円 10人乗り以上2,000円 |
台数 | 100台 |
会場までの距離 | すぐ近く |
仁和寺駐車場は仁和寺拝観時のみ利用可能です。
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まとめ
仁和寺は長い間皇族や公家が住職を務めてきた門跡寺院で、現在は真言宗御室派の総本山となっています。
皇族や公家が落飾後暮らした寺院ということもあり、仁和寺の建物は寺院の建築様式というよりは御殿の建築様式でつくられたもの多く、どことなく柔和な印象を受ける建物が多いのが特徴的です。
また春になると御室桜という桜の名所として知られていますが、実は「御室桜」という品種の桜はないそうです。
度重なる災禍を乗り越えて、現在はユネスコ世界遺産にも登録された歴史ある寺院仁和寺にぜひ訪れてみてください。