高台寺は京都市東山区にあり、臨済宗建仁寺派に属する寺院です。
創建したのは豊臣秀吉の正室であるねね(北政所)で、現在は国定指定史跡・名勝にも指定されています。
東山を借景とした広大な庭が有名で、創健者であるねねの墓所もこの高台寺にあります。
かつて秀吉とねねが暮らした伏見城の遺構が随所にあります。
高台寺の見どころは以下の3つです。
- ねねの墓所「霊屋」と「蒔絵」
- 意匠が凝らされた枯山水式庭園「波心庭」
- 方丈東側の「蓬莱式庭園」と「開山堂」
この記事では、高台寺の見どころとその歴史、アクセス方法などについて詳しく紹介していきます。
高台寺の見どころ3選
それぞれ詳しくご紹介していきます。
見どころ① ねねの墓所「霊屋」と「蒔絵」
蒔絵というのは黒い漆面に金粉を蒔いて文様を浮き上がらせる技法で、黒と金対比が際立つ伝統工芸の1つです。
この蒔絵が施されているのがねねが眠る墓所である「霊屋」内陣の階段や厨子です。
これらは「高台寺蒔絵」と呼ばれ、桃山美術の傑作ともいわれていますよ。
女性の墓所らしく優美な高台寺蒔絵は斬新さも感じられます。
これは通常の蒔絵だけではなく、さまざまな技法が組み合わされているためです。
霊屋に描かれている蒔絵は花筏の模様で、人の生命を表現したものといわれていますよ。
見どころ② 意匠が凝らされた枯山水式庭園「波心庭」
枯山水式庭園というと、白砂で描かれた波紋や岩と植物を配置することで構成されますが、高台寺の本堂の方丈にある枯山水式庭園「波心庭」は少し趣向が異なります。
季節によって砂の色が変わったり、波紋の形や立砂が作られたりと異なる表情を見せてくれます。
時期によっては夜間ライトアップされるなど、派手好きだったといわれる秀吉を弔うのにぴったりな趣向かもしれません。
本来はシンプルな庭園で、一本のしだれ桜が植えられているのがアクセントになっています。
見どころ③ 方丈東側の「蓬莱式庭園」と「開山堂」
高台寺には波心庭以外にも庭園があります。
方丈東側の「蓬莱式庭園」もその1つで開山堂が中央に建っている庭園です。
開山堂はもともとねねの持仏堂でしたが、のちに三江紹益の塔所となりました。
開山堂の東側には臥龍池が、西側には偃月池という2つの池を備えています。
偃月池の南側には書院と開山堂を繋いでいる楼船閣がありますが、この中央には秀吉遺愛の観月台が設けられています。
蓬莱式庭園は桃山時代に作庭された庭園の特徴である石組みが多く使われた豪快な庭園となっています。
臥龍池のほとりにはカエデが植えられているため秋に赤く色づく様子が楽しめます。
高台寺の各季節の見どころ
高台寺の歴史や豆知識
高台寺は豊臣秀吉の正室であるねね(北政所)が1606年に建立した臨済宗建仁寺派の寺院です。
秀吉が亡くなった後菩提を弔うために建立されました。
ねねは後陽成天皇から「高台院」の院号を勅賜されたことで、高台寺という名前が付けられました。
豊臣秀吉は阿弥陀ヶ峰の中腹に埋葬され(豊国廟)、高台寺のねねの墓所である霊屋にあるねねの像はこの阿弥陀ヶ峰の中腹を向いています。
秀吉を偲び建立された高台寺には、秀吉ゆかりの遺構が多々あります。
高台寺の本堂である方丈は、もともと伏見城の建物を移築した物でしたが、焼失し1912年に再建しています。
創建当時にはあった仏堂は焼失後再建されていないため、現在は方丈が高台寺の中心的な堂宇となっています。
開山堂、霊屋、茶室の傘亭や時雨亭、表門などは創建当時のものがそのまま残り、これらの建物は重要文化財に指定されています。
高台寺の参拝時間と料金
高台寺の参拝時間は午前9時から午後5時30分までで、閉門30分前には受付が終了します。
夜間特別拝観がある場合は午後5時にライトアップが始まり閉門時間は午後10時です。
参拝料金は大人600円、中高生250円です。
高台寺と圓徳院の共通割引拝観券は900円です。
小学生以下は保護者同伴で拝観料は免除となりますが、児童・小学生5人につき1人以上の大人の保護責任者が必要となっています。
校外学習や修学旅行などで小学生が拝観する場合、11月中の午後5時以降は人数に関わらず拝観できません。
高台寺のアクセス
【車で向かう場合】
第二京阪道路「鴨川東IC」から約20分です。
【公共交通機関で向かう場合】
高台寺は、京都市バスの「東山安井」バス停からは徒歩約7分です。
京都駅前からは市バスの「206系統」で「東山安井」バス停で下車です。
高台寺の駐車場
無料駐車場
高台寺には無料駐車場はありません。
有料駐車場
駐車場名 | 高台寺 駐車場 |
場所 | 京都市東山区高台寺下河原町526 |
料金 | 最初の1時間600円 以後30分300円 高台寺拝観で1時間無料サービス |
台数 | 約100台 |
会場までの距離 | 高台寺敷地内 |
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まとめ
高台寺は豊臣秀吉の正室であったねね(北政所)が秀吉の菩提を弔うために創建した臨済宗の寺院です。
秀吉なき後落飾したねねに与えらた院号「高台院」から名づけられました。
秀吉とねねが暮らしていた伏見城から移築された建物もあり、創建当時の建築物も数多く残っている寺院です。
秀吉とねねが月見をしていたといわれる「観月台」や、東山を借景とした庭園など見どころも多々あります。
派手好きだったといわれる秀吉の菩提を弔い、ねね自らの墓所でもある霊屋には高台寺蒔絵と呼ばれ絢爛豪華な桃山時代の芸術文化が身近に感じられますよ。