銀閣寺は禅寺らしい物静かなたたずまいや素晴らしい庭園で知られています。
正式には「慈照寺」といい、金閣寺と共に禅宗として知られる臨済宗相国寺派の塔頭寺院のひとつです。
銀閣寺の見どころは以下の9選です。
- 荘厳な造りの観音殿「銀閣」
- かつて足利義政が暮らした「東求堂」
- 特別史跡・特別名勝に指定された「庭園」
- 昔の庭園の一部が残された「漱蘚亭跡」
- 特別な砂の造形の「銀沙灘・向月台」
- 美しい襖絵で装飾された「方丈」
- 足利義政が使った「相君泉(お茶の井)」
- 美しい景色を楽しめる「錦鏡池」
- 展望台からの景色
この記事では、銀閣寺の見どころの詳細とその歴史、アクセス方法などについて詳しく紹介していきます。
銀閣寺の見どころ9選
それぞれ詳しくご紹介していきます。
見どころ① 荘厳な造りの観音殿「銀閣」
銀閣寺といわれるゆえんが、荘厳な造りでわびさびが感じられる観音殿「銀閣」があるためでしょう!
【慈照寺銀閣】通称銀閣寺。臨済宗相国寺派に属する禅寺で、1482年室町幕府8代将軍足利義政により建立されました。もともとは別荘で東山殿と言いました。銀閣は観音殿と呼ばれ、国宝となっています。
個人的には金閣よりも、地味ですが落ち着いた雰囲気を醸し出している銀閣の方が好きです。 pic.twitter.com/jXjpHr9QCV— 涼風堂 (@Kj_Y1972) May 12, 2019
金閣寺の舎利殿「金閣」と対比されることが多く、中には銀箔が貼られている建物だと思っている人がいるかもしれません。
ですが「銀閣」の方は銀箔が貼られているわけではありません。
二層構造で外壁には黒漆が塗られた書院造の建物で、構造は二層になっています。
上層には観音菩薩が、下層には千手地蔵尊が祀られた仏堂で、室町時代に作られた楼閣建築として現存する唯一の建物です。
屋内は非公開となっていますので、庭園からそのたたずまいを楽しんでください。
見どころ② かつて足利義政が暮らした「東求堂」
東山殿が造営された当初から残る建物で、足利将軍家の御所が焼失した後に足利義政が暮らしたのがこの「東求堂」です。
銀閣寺東求堂。足利義政の持仏堂として建てられた御堂。「東方の人、仏を念じて西方に生まれんことを求む」という法語から東求堂と名づけられたといわれる。 pic.twitter.com/xvi1yP5lK2
— 真庭ふしぎ@風来人 (@fusigi_plants) March 24, 2019
内部には4つの部屋があり、足利義政が持っていた仏様を安置した持仏堂としても使われています。
見どころ③ 特別史跡・特別名勝に指定された「庭園」
慈照寺の境内内にある「銀閣」こと観音殿を囲むようにある「庭園」は、池泉回遊式庭園といわれる形式です。
1952年には特別史跡・特別名勝に指定された美しい庭園ですよ!
銀閣寺 庭園 pic.twitter.com/Mh4fBm2EEW
— あか抹茶 (@akamattya_) May 8, 2023
「銀沙灘」といわれる白砂を波打つように均し、その奥には富士山の形を模した盛り砂である「向月台」があります。
銀沙灘に月光を反射させ銀閣を明るく照らす役割も担っています。
見どころ④ 昔の庭園の一部が残された「漱蘚亭跡」
1931年に発見された漱蘚亭跡には、かつての庭園の一部が残されています。
ここには、崩れかけた石の組み合わせや泉、水が流れた跡があります。
⛳️銀閣寺庭園⑥。
高台へ登ると、かつて足利義政公の茶席のあった漱蘚亭跡と、義政公がお茶の水を汲むために作られた「お茶の井」の庭園跡に辿り着きます🍵
この漱蘚亭跡と石組が #田中泰阿弥 により発掘されたものかな?(年代的に一致する)
この高台からの眺めも大好き🖼#庭園 #日本庭園 #京都 pic.twitter.com/PinbT593yj— 日本庭園めぐり『おにわさん』中の人 (@oniwastagram) May 12, 2019
漱蘚亭跡は、枯山水式庭園と、錦鏡池を中心にした池泉回遊式庭園の上下二段の庭園があって、それぞれにユニークな魅力があったようです。
この庭園は室町時代に重要な政治家によって、有名な画家に作らせたと言われています。
デザインは西芳寺の庭園の美しい石組みを参考にしています。
この庭園はその美しさで多くの人々に愛されています。
見どころ⑤ 特別な砂の造形の「銀沙灘・向月台」
銀閣寺の庭園には、二つの特別な砂の造形があります。
一つは「銀沙灘」と呼ばれ、波の形をした白い砂が使われています。
銀閣寺 銀沙灘 pic.twitter.com/Koaa5pINcD
— くも (@n_jyuusyoku) September 30, 2022
この砂は高さ35から40センチメートルで、月の光をきれいに反射するように作られています。
もう一つは「向月台」という名前で、白い砂を円錐形に積み上げたものです。
これは高さ約1.8メートルあり、月の光を受けて銀閣を照らすと言われています。
銀閣寺の向月台。 pic.twitter.com/wH0STWMAXO
— 藤(歴史小説執筆中) (@sakurakomichiao) October 5, 2018
これらの砂の造形の起源ははっきりしていませんが、江戸時代に整備されたとされています。
特に銀沙灘は江戸時代に考案され、向月台はその後期に現在の形になりました。
これらは月を楽しむために作られたもので、銀沙灘は月の光を反射させる目的で、向月台は月を眺めるために作られたと言われています。
この二つは、銀閣寺の庭園を特別な美しさで彩っています。
見どころ⑥ 美しい襖絵で装飾された「方丈」
銀閣寺にある方丈は、美しい襖絵で装飾されています。
「春星忌京も晴れたり銀閣寺」
写真=銀閣寺方丈襖絵 北迫薫-poco pic.twitter.com/4QxfAGuips— 大谷彰一 (@otani_haiku) January 25, 2022
方丈は銀閣寺の主な建物で、中には本尊の釈迦牟尼仏の像が安置されています。
また、銀閣寺を建てた足利義政とその妻の位牌もここにあります。
方丈の中には、西の間や東の間など、いくつかの部屋があります。
壁には「東山水上行」という額や与謝蕪村や池大雅などの著名な人物によって描かれた襖絵が飾られています。
方丈は1624年から1644年の間に再建され、350年以上の歴史を持っています。
方丈からは標高約194メートルの月待山が見え、美しい景色を楽しむことができます。
足利義政はこの景色を眺めながら、詩を詠んでいたと言われています。
見どころ⑦ 足利義政が使った「相君泉(お茶の井)」
相君泉は足利義政がお茶をたてるのに使ったと言われており、昔の時代を感じることができます。
相君泉は、今でも茶会で使用されていて、お茶の井とも呼ばれているんです。
銀閣寺のお茶の井 pic.twitter.com/DfazCHPYda
— ひろさわ りょう (@LoveMakaroni) September 1, 2016
また、銀閣寺には洗月泉という名の湧き水もあります。
この名前は、泉に映る月のさざ波が月を洗っているように見えるから付けられました。
とても美しい景色が楽しめます。
慈照寺(銀閣寺)洗月泉 pic.twitter.com/PDabjs1ADS
— suizouさんと他2022人 (@suizou) November 21, 2016
この湧き水は、天候によって変わることもありますが、普段は三つの流れがあるとされています。
見どころ⑧ 美しい景色を楽しめる「錦鏡池」
銀閣寺の庭園には、錦鏡池という美しい池があります。
この池は1952年に特別な歴史的な場所として指定されました。
今の庭園は江戸時代に改修されたものです。
池の周りには白い砂の造形や本堂、東求堂などがあり、一年中、様々な美しい景色を楽しめます。
庭園は錦鏡池を中心に整えられています。
この池は東求堂から銀閣に向かって配置されています。
池には小島がいくつかあり、自然石で作られた橋がかかっています。
池の周りの庭園は歩いて回れるように作られており、銀閣が池に映る景色が特に美しいです。
銀閣寺の庭園で、銀閣が錦鏡池に映る光景は非常に有名です。
銀閣寺の池も錦鏡池(きんきょうち)と言います
当方は銀閣寺の方が落ち着いた雰囲気があるので好きです pic.twitter.com/gbkEVEO86A— えふぽん-Fぽん- (@paffiris0817) January 4, 2022
庭園には、過去に力のある大名たちが寄付した美しい石も置かれています。
特に朝の銀閣寺が錦鏡池に映る景色は、非常に美しいとされています。
見どころ⑨ 展望台からの景色
京都の銀閣寺の奥には、少し高い場所にある隠れた展望台があります。
この展望台へは階段を使って上がります。
周りには木々や苔が生えた美しい庭園が広がっていて静かな雰囲気です。
メインの観光スポットからは少し離れているため訪れる人が少なく、ゆっくり景色を楽しむことができます。
展望台からは銀閣寺の建物や庭園、そして京都市内を一望できます。
銀閣寺
銀閣や銀沙灘など、展望台から見た境内です。#京都 #風景 #写真で伝えたい私の世界 #ファインダー越しの私の世界 #銀閣寺 pic.twitter.com/zIFUUDEnzs— sugi (@meishoview) October 3, 2020
季節ごとに違った風景が楽しめる銀閣寺は、この展望台から見るとさらに美しく感じられます。
銀閣寺を訪れた際には、ぜひ展望台にも足を運んでみてください。
昔、展望台からの下り道は落ち葉で滑りやすく少し危なかったのですが、今はきちんと整備されていて、安心して歩けるようになっています。
銀閣寺の歴史や豆知識
銀閣寺は正式には「慈照寺」といい、禅宗として知られる臨済宗相国寺派の塔頭寺院です。
室町幕府八代将軍である足利義政が造営した山荘である東山殿を母胎として成り立っています。
義政は祖父である三代将軍足利義満が造営した山荘である北山殿(のちの「鹿苑寺(金閣寺)」)を意識して造営したといわれています。
義満の時代とは異なり、義政の時代は幕府の財政が悪化していたため税金や労役を臨時に課して民衆に対して大きな負担をかけた末に造営しています。
東山殿が完成する前に足利将軍家の御所が焼失しており、このときに未完成の東山殿に義政は移住していますが、完成前に義政はなくなってしまいます。
このため義政を弔うために東山殿は相国寺の末寺に改められ、義政の戒名である「慈照院」から「慈照寺」となりました。
義満が残した鹿苑寺の舎利殿の外壁には金箔が貼られ、黄金に輝く「金閣」だったのに対し、義政が残した慈照寺の観音殿には銀箔が貼られているわけではありません。
もともと観音殿を「銀閣」と呼び始めたのは江戸時代といわれ、鹿苑寺の「金閣」に対してつけられたものです。
銀閣と呼ばれる建物は「観音殿」で、上層にある潮音閣には観世音菩薩が、下層の心空殿には千体地蔵菩薩が祀られています。
観音殿の内部は非公開ですが、わびさびが感じられる観音殿を庭園から眺めて楽しんでください。
銀閣寺の参拝時間と料金
銀閣寺の拝観時間は季節によって変わります。
3月~11月は午前8時30分から午後5時まで、12月~2月は午前9時から午後4時30分までです。
拝観料大人(高校生以上)は500円、小中学生は300円です。
なお銀閣寺で毎月第3月曜日に実施されている坐禅会は、3月~11月は午後6時30分から、1月と2月は午後6時からです。
8月と12月については坐禅会の実施はありません。
銀閣寺のアクセス
【車で向かう場合】
名神高速道路「京都東IC」から約27分「京都南IC」からは約32分です。
阪神高速道路「鴨川西IC」からは約27分です。
【公共交通機関で向かう場合】
銀閣寺は、京都市バスの「銀閣寺前」バス停からは徒歩5分、または「銀閣寺道」バス停が最寄りとなります。
京都駅前からは市バスの「100系統」の場合は「銀閣寺前」バス停で下車、「17系統」「5系統」の場合は「銀閣寺道」バス停で下車です。
阪急河原町駅からは市バス「32系統」で「銀閣寺前」で下車します。
銀閣寺の駐車場
無料駐車場
銀閣寺には無料駐車場はありません。
有料駐車場
銀閣寺には専用駐車場がありませんが、近隣には市営駐車場やコインパーキングがあります。
駐車場名 | 京都市銀閣寺観光駐車場 |
場所 | 京都市左京区浄土寺石橋町62 |
料金 | 2時間で1,040円 |
台数 | 40台 |
会場までの距離 | 徒歩約3分 |
駐車場名 | コンセプト銀閣寺前パーキング |
場所 | 京都府京都市左京区浄土寺石橋町 |
料金 | 30分で300円/平日は入庫後24時間最大料金700円 |
台数 | 6台 |
会場までの距離 | 徒歩約5分 |
駐車場名 | タイムズ銀閣寺 |
場所 | 京都府京都市左京区浄土寺石橋町32 |
料金 | 平日は60分で330円/土日祝日は30分で220円 |
台数 | 3台 |
会場までの距離 | 徒歩約6分 |
駐車場名 | キョウテク銀閣寺道パーキング |
場所 | 京都市左京区浄土寺西田町60-2、60-3 |
料金 | 7:00~19:00 40分で200円 |
台数 | 16台 |
会場までの距離 | 徒歩約9分 |
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まとめ
銀閣寺は正式には「慈照寺」という臨済宗相国寺派のお寺で、境内にある観音殿「銀閣」の存在から一般的に銀閣寺と呼ばれるようになりました。
銀閣寺は銀箔が貼られていると思っている人がいるかもしれませんが、黒漆が塗られた落ち着いたたたずまいの二層からなる建物です。
室町時代に作られた楼閣建築として現存する唯一の建物で、わびさびが感じられる落ち着いた雰囲気が感じられる寺院です。
拝観に掛かる時間はおおよそ30分程度で、展望所に行かないルートを選べば15~20分程度でも見て回れますよ。