京都府宇治市にある宇治上神社は平安時代に建立され、現存する神社では世界遺産にも登録されている日本最古の神社です。
とても小さな神社で、一周するのに5分かかるかどうかの宇治上神社は怖いとも言われています。
今回は、「世界最小の世界遺産」と呼ばれることもある宇治上神社が怖いとされる理由の詳細や見どころなどを紹介したいと思います。
宇治上神社が怖いといわれる理由
宇治上神社が怖いといわれる理由は、この神社には誰が祀られているのかということです。
宇治上神社には「莵道稚郎子」「応神天皇」「仁徳天皇」が並んで祀られています。
仁徳天皇は日本最大の前方後円墳で有名ですし、応神天皇も日本で二番目に大きい古墳が作られた天皇。
では、「莵道稚郎子って一体誰?」となりますが、応神天皇が最も愛し、継承者として選んだ太子こそが莵道稚郎子なんです。
仁徳天皇は父である応神天皇の意志を尊重し、さらに上の兄が皇位を狙い莵道稚郎子を暗殺しようとした時にも莵道稚郎子側につき、その暗殺を企てた兄を宇治川に沈めたとされています。
一方で莵道稚郎子は「仁徳天皇こそが天皇を継ぐべき」と応神天皇の死後も即位せず、宇治に身を隠したのです。
お互い譲り合いながら、結局は莵道稚郎子が死んでしまったため仁徳天皇が皇位を継承するのですが、そうしたエピソードは仁徳天皇の徳の高さを描くために作られた話で、実は莵道稚郎子は「仁徳天皇の何らかの策略のために命を落としたのでは?」という説もあるのです。
というのも莵道稚郎子は、日本書紀では「自殺した」とされ古事記では「病に倒れた」とされていて死因がはっきりしていないのです。
もし自殺したのであれば、その理由は仁徳天皇との継承争いが絡んでいるのかもしれません。
継承争いに巻き込まれて兄は宇治川に沈められています。
こうしたドロドロの皇位継承のお家騒動があるため「宇治上神社は怖い」と言われているのです。
もしかしたら、宇治上神社は莵道稚郎子の無念を鎮めるために建てられた神社なのかもしれませんね。
宇治上神社の見どころ3選
最小の世界遺産と言われている宇治上神社の見どころをご紹介します。
それではさっそく1つずつ見ていきましょう。
見どころ① 国宝にもなっている拝殿
鳥居をくぐるとすぐ見えてくるのが国宝にもなっている拝殿です。
宇治上神社拝殿です。宇治行く時は必ず行きます。あふれる資料感。 pic.twitter.com/l0bUChQAAM
— 瑛 (@00966_ei) September 23, 2018
こちらは鎌倉時代前期に建てられたと考えられており、平安時代の建築様式を思わせる大変貴重な建築物なんです。
1000年も前に建てられたとは思えないほどの美しい拝殿は、まさに一見の価値ありです。
見どころ② 平安時代に建てられた本殿
拝殿の奥にある本殿はなんと平安時代に建てられたとされ、神社建築としては日本最古。
こちらも国宝に指定されていて、長い間多くの人に愛されている素晴らしい建築物です。
世界遺産、宇治上神社です。
本殿は、日本最古の
神社建築で、国宝です。#世界遺産 #宇治上神社 pic.twitter.com/eTxQtPbolg— sanko hironzai (@sanko_hironzai) December 17, 2018
見どころ③ お土産にぴったりの「うさぎみくじ」
莵道稚郎子(うじのわきいらつこ)が祀られていることから、宇治上神社はうさぎに縁のある神社として有名です。
当社は兎の神社ですが、うさぎみくじ以外でうさぎを手に取って感じられる御守りがございませんでした。
そこで、うさぎさんのお守りをお分け致します。それもうさぎ姿守です。500円のお初穂料でお分けします。#宇治上神社 #御守り pic.twitter.com/LhHsbyG6su— 宇治上神社【公式】 (@ujikamijinja) August 27, 2022
神社の紋もうさぎですし、おみくじやお守りにもうさぎがあしらわれています。
宇治神社と宇治上神社の御朱印とうさぎみくじ^_^
趣味の動物みくじめっちゃ集まりました^_^ pic.twitter.com/Tnq0Gr8GMX— カエル神所長(ひより。) (@hiyori0609) May 21, 2019
特にうさぎみくじはかわいくて色の種類も豊富。
お土産にぴったりの一品です。
宇治上神社と宇治神社の違いは?
宇治上神社のすぐ隣に宇治神社という神社がありますが、実はこの2つの神社はもともとは1つの神社だったのです。
明治時代に「宇治上神社」「宇治神社」に分かれましたが、もともとは「宇治離宮明神」という1つの神社だったのです。
どう違いがあるかと言うと、先ほど紹介したように宇治上神社は「莵道稚郎子」「応神天皇」「仁徳天皇」が祀られていますが、宇治神社には「莵道稚郎子」だけが祀られています。
もしかしたら宇治上神社は「3神が互いに手を取り穏やかに眠るための鎮魂」、宇治神社は「莵道稚郎子の弔いのため」という意味が込められているのかもしれませんね。
宇治上神社の歴史や豆知識
元々は一緒の場所にあった宇治上神社と宇治神社ですが、昔は「宇治離宮明神」や「離宮八幡宮」と呼ばれ、宇治上神社が本社(上社)、宇治神社が分社(下社)とされていました。
これらの神社は、昔の天皇の別荘があった場所に建てられたと伝えられています。
応神天皇や仁徳天皇などの名前が神社の由来として伝えられ、特にウジノワキイラツコという名の皇子が住んでいたとされています。
その皇子が亡くなった後、兄の仁徳天皇がその場所に祠を建て、彼の霊を祀ったとされています。
平等院の創建後、これらの神社は平等院の守り神としても大切にされてきました。
宇治上神社は、その建築的価値から非常に重要です。
この神社の本殿は日本で最も古い建築物の一つで、1060年に建てられたことが確認されています。
拝殿も1215年に建てられたものです。
興味深いことに、本殿に使用されている木材の中には、984年に伐採された木も含まれており、以前に何か別の建物が存在していた可能性が示唆されています。
建設者については定かではありませんが、藤原頼通が関与したという説が強く支持されています。
藤原頼通は平等院を建てたことで知られ、彼は死に対する恐れから極楽浄土を作り上げようとしたと言われています。
宇治上神社は、平等院の向かい側、宇治川の対岸に位置しており、藤原頼通が左岸に極楽浄土、右岸に現世や神の世界を象徴するように設計したと考えられています。
これらの神社が1000年以上も残り続けていることは、神聖な場所であることを示しています。
火災防止のための工夫も見られ、特に本殿の梁には「蟇股」と呼ばれる部材が使われています。
これは重みを支え、同時に装飾としても機能しています。
「蟇股」の名前には、火を恐れ、神に祈る思いが込められているとされています。
さらに、海老虹梁や懸魚など、水に関連する名前がつけられた部材が多く使われており、これらは火災を防ぐためのおまじないとしての意味も持っているとされます。
1000年以上もの長きにわたり存続しているこれらの神社は、昔の人々にとっても想像を超える耐久性を持っていたことでしょう。
宇治上神社の参拝時間と料金
名称 | 宇治上神社(うじかみじんじゃ) |
住所 | 京都府宇治市宇治山田59 |
時間 | 9:00 ~ 16:30 |
料金 | 無料 |
所要時間 | 15分 |
宇治上神社のアクセスと駐車場
京阪宇治線「宇治」駅下車、徒歩10分
JR奈良線「宇治」駅下車、徒歩20分
車のナビを使って当社に来るときは、「宇治市宇治山田59」と住所を設定してください。
宇治上神社の駐車場
宇治上神社には、無料で車を停められる場所があります。
しかし、当社以外の場所に行く場合は、3000円を受付でお支払いいただく必要があります。
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まとめ
今回は京都府の宇治市にある宇治上神社についていろいろとまとめてみました。
多くの世界遺産がある京都の中でも日本最古の神社建築である宇治上神社は、歴史的にも重要な建築物であると言えます。
そんな宇治上神社、名前こそマイナーかもしれませんが訪れてみる価値は大いにあると言えます。
悲しい背景がある莵道稚郎子の皇位継承のいざこざ。
そんないざこざに負けない無欲の太子でもあった莵道稚郎子が眠る宇治上神社、ぜひ一度訪れてみてください。