京都最古の寺と言われている広隆寺は真言宗単立の大本山で、その創建は603年と推定されています。
安置されている木造弥勒菩薩半跏思惟像は国宝に指定された仏像です。
この弥勒菩薩像以外にも数多くの国宝級の仏像がある寺院で、本堂内にはご本尊として聖徳太子像が安置されています。
この記事では参拝におおよそ30分かかる広隆寺について3つの見どころを含め、歴史や豆知識を紹介します。
広隆寺の見どころ3選
それぞれ詳しくご紹介していきます。
見どころ① 国宝としても指定されている仏像
広隆寺には数多くの仏像が安置されていますが、中でも別格といわれているのが国宝として指定されている木造弥勒菩薩半跏思惟像です。
宝冠弥勒とも呼ばれている仏像で、右足を左足の太ももに乗せて台の上に座っていらっしゃるようなお姿をしています。
表情は何か考えているように見え、口元はほのかに微笑んでいるようにも感じます。
日本の彫刻では使われることがないアカマツを使った彫像で、その特徴から新羅(現在の朝鮮半島)から渡来した仏ではないかと推定されています。
頭に宝冠を被っていることから、この弥勒菩薩王は「宝冠弥勒」とも呼ばれています。
広隆寺には他にも木造弥勒菩薩半跏像という弥勒菩薩像がありますが、こちらは「泣き弥勒」と呼ばれています。
宝冠弥勒と同じように左足に右足をのせ台座に座ったお姿ですが、やや俯いた表情と右手が頬のあたりを差しまるで泣いているかのように見えます。
このような泣き顔の仏像は類がなく、泣き弥勒もまた国宝に指定されています。
広隆寺といえばこの2体の弥勒菩薩像が有名ですが、他にも国宝に指定された「十一面千手観音立像」や「不空羂索観音菩薩立像」、重用文化財の「千手観音坐像」といった大型の仏像もあります。
見どころ② 京都最古の寺院の建築物
京都最古の寺院といわれる広隆寺ですが、818年と1150年に伽藍が火災に遭い焼失しているため、創建当時の建物は残っていません。
広隆寺で最も古いとされるのは「赤堂」と呼ばれている講堂で、1165年に再建されたものです。
その後1565年に修理改造され、建物が縮小されたため安置されていた十一面千手観音立像と不空羂索観音菩薩立像は「新霊宝殿」に移され、現在は阿弥陀如来坐像(国宝)と地蔵菩薩坐像(重要文化財)、虚空菩薩坐像(重要文化財)が安置されています。
広隆寺の御本尊である聖徳太子像が安置されているのは上宮王院太子殿(本堂)で、17390年に創建されています。
一般の人は堂内に入ることができないため普段は聖徳太子像を見ることができませんが、毎年11月22日は扉が開かれそのお姿が見られます。
見どころ③ 間近で見れる「新霊宝殿」
広隆寺には2つの霊宝殿があります。
1つは旧霊宝殿で、1923年に建設され、もう1つは新霊宝殿で1982年に建設されたものです。
宝冠弥勒や泣き弥勒などが収められているのは新霊宝殿で、他にも国宝や重要文化財に指定された数々の仏像が安置されています。
多くの寺院では仏像のお姿は遠くから眺めることが多いのですが、広隆寺の新霊宝殿の場合にはかなり間近に寄れます。
高さ3メートルを超えるような立像を間近でみると、その大きさを肌で感じられますよ。
広隆寺の歴史や豆知識
京都でも最古と言われている寺院が広隆寺ですが、実は正確な創建年などは分かっていません。
文献などから推測される創建年は603年で、飛鳥時代に創建されたと推定されています。
ちなみに603年といえば聖徳太子が冠位十二階を制定した年です。
現在の広隆寺の御本尊は聖徳太子ですが、もともとは聖徳太子から弥勒菩薩半跏思惟像(宝冠弥勒)を賜った地域の豪族だった秦氏が、この宝冠弥勒を祀るために建てた寺院とされています。
これらすべてが「推測」とされるのは、広隆寺はかつて2度の火災に遭い伽藍を焼失し、創建からの記録もまた失われているためです。
創建時は広隆寺と言う寺号ではなく、蜂岡寺と呼ばれており、奈良時代末期ごろに広隆寺という法号になっていたようです。
ただ別の説では聖徳太子が大変優れた場所であるから宮殿を建てるようにと従者らに命じ楓野之別宮を建立し、のちにその宮殿を秦氏に下賜して新羅王が献じた仏像を祀る寺院としたといわれています。
このかつて楓野之別宮として建てられたものが「楓宮院」となり、現在境内にある「桂宮院」であるともいわれています。
他にも諸説あるため、広隆寺が本当に603年に創建されたのかは「推定」でしかないそうですよ。
ご本尊も創建時はおそらく宝冠弥勒であったとされていますが、その後平安時代には薬師如来像がご本尊でした。
現在は聖徳太子立像がご本尊として祀られています。
広隆寺の参拝時間と料金
名称 | 蜂岡山 広隆寺 |
拝観時間 | 3月から11月 午前9時から午後5時
12月から2月 午前9時から午後4時30分 |
拝観料 | 境内のみの場合は無料
新霊宝殿入場料:大人 800円 高校生500円 小中学生400円 |
住所 | 京都府京都市右京区太秦蜂岡町32 |
お問い合わせ | TEL: 075-861-1461 |
公式サイト | 公式サイトはなし |
広隆寺のアクセス
【公共交通機関で向かう場合】
市バス「太秦広隆寺前」バス停から徒歩約1分
京都バス「太秦広隆寺前」バス停から徒歩約1分
嵐電「太秦広隆寺」駅から徒歩約1分
JR「太秦」駅から徒歩約13分
【車で向かう場合】
名神高速道路「京都南」ICから約25分
広隆寺の駐車場
広隆寺周辺の駐車場の状況についてまとめます。
無料駐車場
広隆寺には参拝者専用の無料駐車場が50台分あります。
有料駐車場
駐車場名 | タイムズ太秦 |
住所 | 京都府京都市右京区太秦垣内町3 |
料金 | 40分毎220円 駐車後24時間最大料金500円 午後6時から午前8時までは最大300円 |
台数 | 18台 |
会場までの距離 | 徒歩約3分 |
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まとめ
京都で最も古い寺院である広隆寺ですが、その創建がいつなのか、創建頃の歴史などについては推定されているのみで正確なことが分かりません。
2度の火災により創建当時の伽藍や記録が失われているためですが、宝冠弥勒や泣き弥勒はこれらの火災時に焼失することなく現在も広隆寺に安置されています。
長い歴史を見てきたと思われる弥勒菩薩像に会えば、その歴史の重みや不思議な力が感じられるかもしれませんよ。
歴史の授業で習った昔の事が、そのまま目の前に現れるという不思議な体験をぜひ味わいに来てください。