天台宗の五箇室門跡の1つである三千院は、京都市街地からはやや離れた大原にある寺院です。
苔むした庭園が非常に美しいことで知られており、四季折々の花々や自然が楽しめます。
三千院の見どころは以下の3つです。
- 往生極楽院と阿弥陀三尊像
- 聚碧園と有清園
- わらべ地蔵
1,200年の歴史を持つ門跡寺院ですが、移転を繰り返し現在の大原の地に移ったのは明治維新後です。
参拝にはおおよそ1時間程度かかる三千院について、3つの見どころを含め、歴史や豆知識も紹介します。
三千院の見どころ3選
それぞれ詳しくご紹介していきます。
見どころ① 往生極楽院と阿弥陀三尊像
国宝に指定されている阿弥陀三尊像が安置されている建物で、天台浄土教の大成者である恵心僧都源信が姉である安養尼と共に建立した建物とされています。
お堂の中心に安置された来迎印を結ぶ阿弥陀如来像はお堂の大きさに比べると大きいため、天井を船底型に折り上げるといった工夫が見られます。
向かって右側には往生者を蓮台に乗せる姿の観世音菩薩が、左側には合掌する勢至菩薩が安置されています。
両菩薩ともに「大和坐り」という少し膝を開けた正座のような珍しい座り方をされており、さらにやや前かがみになったまさに今往生した人をお迎えする一瞬を表しているといわれています。
往生極楽院は恵心僧都源信と安養尼の姉弟が父母の菩提を弔うために建立したお堂で非常に簡素なものですが、内部を見ると天井には極楽浄土を極彩色で描かれています。
実際の往生極楽院の天井は煤により天井画はほとんど目視できませんが、円融蔵に再現された天井画が展示されていますのでぜひ合わせて見てください。
見どころ② 聚碧園と有清園
聚碧園(しゅうへきえん)有清園(ゆうせいえん)ともに京都市の指定名勝となっている庭園です。
聚碧園は池泉鑑賞式庭園といい、苔むした庭と丸く刈り込まれている皐月が特徴的です。
修築は金森宗和という武将であり茶人だった江戸時代初期の人物と伝えられています。
書院の(客殿)の庭園として整えられたもので、書院でお茶を頂きながら眺められます。
有清園は池泉周遊式庭園で、山桜やシャクナゲが植えられており四季折々の風景が非常に美しいことで知られています。
一面を苔に覆われ杉やヒノキといった立木が並んでおり、その合間からは往生極楽院が見えます。
見どころ③ わらべ地蔵
三千院の庭には、「わらべ地蔵」という小さくてかわいらしい地蔵菩薩像があちこちにあります。
このお地蔵さんは彫刻家の杉村孝さんが手がけたもので、ぞれぞれ異なる表情をしていますよ。
わらべ地蔵は平成に入ってから置かれたものですが、すでに苔に覆われ三千院の庭に馴染んでいます。
三千院の各季節の見どころ
三千院の歴史や豆知識
三千院は1200年の歴史を持つ寺院ですが、創建当時から大原の地にあったわけではありません。
782年から806年の延暦年間に比叡山東塔南谷の山梨の大木の下に、伝教大師最澄が一宇を構えたことが始まりとなっています。
その後比叡山さん内から近江坂本に移転、さらに火災や兵乱により幾度か移転したという経歴があり、現在の大原に移ってきたのは明治維新後でした。
実は三千院というお寺の名前も変わっています。
現在の三千院という呼称は1869年に法親王が還俗したときに梶井御殿内の持仏堂に掲げられていた「三千院」という霊元天皇御宸筆の勅額により呼称されるようになったものです。
1200年の歴史の中で、平安後期以降は皇子や皇族が住持したことから、三千院は宮門跡と呼ばれる寺院となりました
天台宗には三千院以外に、妙法院、青蓮院、曼殊院、毘沙門堂の4つの門跡寺院があり、三千院を含め五ケ室門跡といわれています。
三千院の参拝時間と料金
名称 | 天台宗京都大原三千院 |
拝観時間 | 午前9時から午後5時まで
11月のみ午前8時30分から午後5時まで |
拝観料 | 一般700円、中学生・高校生400円、小学生150円 |
住所 | 京都府京都市左京区大原来迎院町540 |
お問い合わせ | TEL:075-744-2531 |
公式サイト | http://www.sanzenin.or.jp/ |
三千院のアクセス
【公共交通機関で向かう場合】
京都バス「大原」バス停から徒歩約10分です。
JR京都駅からは京都バス「17系統」で約60分、もしくは地下鉄で国際会館駅に行って、そこから京都バス「19系統」に乗り換え、約22分で「大原」バス停に到着。
京阪電車を利用する場合は、京阪「出町柳」駅から京都バス「17系統」、または「出町柳」駅から叡山鉄道に乗り換え「八瀬比叡山口」駅で下車、京都バス「19系統」で「大原」バス停に向かう。
【車で向かう場合】
琵琶湖西縦貫道路「真野IC」から約20分です。
三千院の駐車場
無料駐車場
大原三千院には専用の無料駐車場はありませんが条件付きで無料となる駐車場はあります。
駐車場名 | カフェテラスIRORI駐車場 |
住所 | 京都市左京区大原来迎院町129 |
料金 | 飲食を利用すると無料で駐車可能 |
台数 | 約20台 |
会場までの距離 | 徒歩約4分 |
IRORIは喫茶店の店内で飲食すると拝観中も無料で駐車可能です。
駐車場名 | 志ば久本店お客様駐車場 |
住所 | 京都市左京区大原勝林院町58 |
料金 | 店舗利用者に限り無料で駐車可能 |
台数 | 約80台 |
会場までの距離 | 徒歩約4分 |
志ば久は芝漬けのお店で、お土産などを購入すると拝観中も無料で駐車可能です。
有料駐車場
駐車場名 | 三千院前有料駐車場 |
住所 | 京都市左京区大原来迎院町540 |
料金 | 1回400円 |
台数 | 6台 |
会場までの距離 | 徒歩約1分 |
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まとめ
三千院といえば大原の地にあることでよく知られていますが、実は大原に移ってきたのは明治維新後のことで、それ以前はいくつかの地を転々としてきた歴史があります。
三千院という呼称も明治以降に定まったもので、それ以前は別の呼称で呼ばれてきたというのも驚きですよね。
恵心僧都源信と安養尼の姉弟が父母の菩提を弔うために建立したという往生極楽院をはじめ、かわいらしいわらべ地蔵など古いものと新しいものが見事に融合した三千院に、ぜひ足を運んでくださいね。