京都で夏に開かれる祇園祭は、多くの人々を魅了しますが、中でも「あばれ観音」という特別なイベントがあります。
祇園祭後祭宵山の夜の一大行事で、地元の人々だけでなく、遠方から訪れる観光客にも人気です。
この「あばれ観音」では、二つの大切な神様の像が登場します。
一つは、慈悲深い楊柳観音の像で、もう一つは善財童子の像です。
これらの神様の像を、まるで大事なお宝のように布で丁寧に包み込み、祭り用の台にしっかりと固定します。
そして、善財童子を抱きかかえた勇敢な人が、先頭に立って、祭りの興奮を町中に運びます。
この様子は、まるで町全体が祭りの熱気で包まれるようで、見る人々を大いに盛り上げます。
「あばれ観音」は夜遅くの23時頃に始まりますが、その時間帯にもかかわらず、毎年多くの人がこの光景を見ようと集まります。
この夜遅くに行われることで、日中の祭りとはまた違った、幻想的で心躍る体験を提供してくれます。
この記事では、「あばれ観音」のイベントの日程、開始時間、そして見どころなどを詳しくご紹介しています。
祇園あばれ観音2024の日程と概要
あばれ観音は例年、祇園祭後祭宵山の夜、7月23日の夜に開催されるのが恒例となっています。
「あばれ観音」の開始時間は夜の23時ごろとなっており、その魅力を約30分間堪能することができます。
このイベントは深夜に開催されるため、訪れる際には公共交通機関の最終時間に注意しながら計画を立てることが大切です。
最終の電車やバスを逃してしまわないように、事前に時間を確認しておくことをお勧めします。
「あばれ観音」はその名の通り、エネルギッシュで活気あふれるイベントで、夜の京都に特別な雰囲気をもたらします。
この時間を過ごすことで、京都の夏の一夜がより印象深いものになるでしょう。
参加を検討している方は、ぜひこのユニークな体験を楽しんでみてください。
祇園あばれ観音のアクセス
あばれ観音が行われる南観音山はどこにあるかと言いますと、新町通沿いの京都市中京区百足屋町という場所になります。
蛸薬師通と錦小路通のちょうど真ん中あたりですね。
この南観音山から出発して蛸薬師と錦小路の間を3往復します。
南北の端、つまり蛸薬師と錦小路、そして山の前では威勢よく神輿が担ぎ上げられますのでそれを見たいのであれば南北の端どちらかで待機しましょう。
23時から始まる行事ですので電車やバスの場合、終電・終バスの時間もあるのでかなり厳しいかと思われます。
きっちり最後まで見る場合は車での参加が一番無難です。
一応、最寄りの駅は四条駅となりますので、京都駅からは地下鉄烏丸線一本で行くことができます。
車でのアクセスは名神高速道路の京都東インターで下車後、一号線をそのまま西に進み、五条烏丸で右折。
そこから左折で新町通に入ると到着です。
インターからは約20分で行けます。
祇園あばれ観音の駐車場
自家用車で参加の場合、気になるのが駐車場ですが、市内最大の繁華街・四条烏丸の近くということもあり、近隣にはたくさんのコインパーキングがあります。
ただしどれも収容台数は多くないため、お目当ての駐車場に止めることができるかは当日になってみなければわかりません。
一番近い駐車場はタイムズ錦新町で収容台数は4台。
他にも小結棚町パーキングやシステムパーク新町四条などがあります。
小結棚町パーキングは収容台数9台。
システムパーク新町四条は20台となっております。
新町通りは北向きの一方通行道路なのでご注意ください。
祇園あばれ観音の見どころ
南観音山の名物と言われているこのあばれ観音では、御神体であられる楊柳観音と善財童子が布に包まれてまるでミイラのようなお姿に。
楊柳観音は神輿の台座に縛り付けられ、善財童子を抱えた人の先導により、町内を駆け巡ります。
祇園祭の夜、御輿にくくりつけられた観音さまが猛り狂ったように走り去っていった。
後祭宵山、南観音山で見られる「あばれ観音」 pic.twitter.com/lixupPEWDO— 稲田大樹 Daiki Inada 極彩色の京都/京都浪漫紀行 (@usalica) July 26, 2023
「わっしょい」の威勢よい掛け声とともに駆け回る神輿は、まさにその名の通り「あばれ観音」と言った様子です。
祇園祭の山鉾は33基ありますが、巡行前日にあばれ観音のような行事があるのは南観音山だけなのです。
その由来はよくわかっていないそうですが、南観音山の楊柳観音は女性で、北観音山の男性である楊柳観音に恋心を抱いているので、巡行前夜にあばれさせて本番はおとなしくしてもらうため、なんて言われていたりします。
あばれ観音は23時ころから始まるかなり遅い時間の行事ですが、たくさんの人で賑わいを見せます。
威勢よく担がれ町中を駆け回るため、楊柳観音様の恋心もおさまりそう。
昨夜の祇園祭、後祭の南観音山でのあばれ観音の様子です。
あばれ観音ではご神体・楊柳観音(ようりゅうかんのん)像を台座(御輿)に布で縛り付け、激しく揺すりながら町内を走り回ります。#一澤信三郎帆布 pic.twitter.com/qnvQo8Ag5A
— 一澤信三郎帆布 (@ichizawa_kyoto) July 24, 2023
雅さと豪快さを兼ね備えたあばれ観音は見応えたっぷり。
ぜひ一度その目で見て、体感してみてください。
あばれ観音が終わるとすぐに翌日の山鉾巡行の準備にかかります。
あわただしくしまわれる楊柳観音と善財童子ですが、そうした様子を見るのもまた楽しいものがあります。
祇園祭と言えば厳かに粛々と行われるイメージが強いですが、そんな中、こちらのあばれ観音はそうした祇園祭のおとなしいイメージをぶち壊してくれるかもしれません。
深夜にも関わらず熱い熱気が漂い、大いに盛り上がる、それがあばれ観音です。
まとめ
深夜に行われる奇祭、あばれ観音は祇園祭とは思えないほどの荒々しさを味わえる貴重な行事です。
地元密着のお祭りはあの祇園祭の行事の一つだとは思えないほどですが、見応えは十分。
前日にあばれ観音を見てから当日の山鉾巡行を見ると、また少し違った思いで見ることができるかもしれませんね。
もし後祭に参加予定ならぜひ前日前乗りし、あばれ観音を見てみて下さい。
山鉾巡行に向けてテンションが上がること間違いなしです。