嵐山観光の大きな楽しみといえば、やっぱり「食べ歩き」ですよね。湯葉ドーナツ、お団子、コロッケ、ソフトクリーム…。考えただけでもワクワクします。
でも、いざ嵐山に着いたら「あれ?目当てのお店のシャッターが閉まってる…」なんて経験、考えたくないものです。
「嵐山の食べ歩きって、結局何時まで楽しめるの?」
このキーワードで検索してくださったあなたは、きっと夕方からのプランを立てているか、あるいは「電車の都合で17時や18時頃に着きそうだけど、まだ大丈夫かな?」とギリギリの時間を心配しているんじゃないかなと思います。人気の商品は売り切れにならないか、もし間に合わなかったら夜ご飯はどうなるのか…。
その疑問、すごくよく分かります。嵐山は京都市内の中心部(河原町や祇園)とは、時間の流れ方がまったく違うんですよね。あちらが夜から本番なのに対し、嵐山は「日中」がメインの観光地なんです。
この記事では、嵐山の「食べ歩き時間」に関するシビアな現実と、その対策、そして「間に合わなかった!」という場合のプランBまで、地元民の視点から詳しく解説していきますね。
- 嵐山の食べ歩きグルメの本当の限界時間
- なぜ嵐山のお店の閉店はこんなに早いのか
- 18時以降に到着した場合の夜ご飯の選択肢
- 混雑や売り切れを避けるための最適な訪問時間
嵐山の食べ歩きは何時までが限界?

まずは皆さんが一番知りたい、「何時までか?」という疑問に、結論からお答えします。
嵐山の食べ歩きグルメは、17時(午後5時)から閉店が始まり、18時(午後6時)にはほぼすべてのお店が終了すると考えてください。これが嵐山の時間です。
「18時まで開いてる」という情報を鵜呑みにしてはいけない、シビアな理由があるんです。
17時は閉店ラッシュの始まり
嵐山観光において、17時(午後5時)は「第1の壁」です。これはもう、絶対に意識しておいてほしい時間ですね。
これは、単に「一部のお店が閉まる」というレベルではなく、嵐山全体が「日中の観光モード」から「終了モード」に切り替わる、大きなターニングポイントなんですよね。
たとえば、嵐山昇龍苑1Fにある人気の「まめものとたい焼き 嵐山本店」さん。あのかわいいたい焼きは、17時00分に営業終了です。もし17時ちょうどに嵐山駅に着いても、そこからお店まで歩く時間を考えたら…もう間に合わない可能性が高い、というシビアな現実があります。
17時というのは、多くのお店が「そろそろ店じまいの準備をしようかな」「レジを閉めようかな」と考える時間帯。この時点で、もう選べる選択肢はかなり減り始めている、と認識するのが安全ですね。お土産屋さんも、この時間から徐々に閉まり始めます。
18時は人気店の最終時間
そして、18時(午後6時)が「最終防衛線」です。
多くの人気店が、この18時を公式の「閉店時間」として設定しています。一見すると「18時までやってるなら余裕じゃん」と思ってしまいがちですが、これが最大の落とし穴なんです。
まずは、18時閉店(またはL.O.)をうたっている主要なお店を見てみましょう。
| 店名 | 名物グルメ | 営業時間(目安) |
|---|---|---|
| 京抹茶クレープ ARINCO | 京抹茶クレープ | 10:00~18:00 |
| 嵯峨とうふ 稲 (本店・北店) | 湯葉ドーナツ | 11:00~18:00 (L.O.) |
| 古都芋本舗 | みたらし団子 | 9:30~18:00 |
| DONUTSTAND 嵐山店 | ドーナツ | 10:00~18:00 |
※上記はあくまで目安です。季節や天候により変動する可能性が高いため、訪問前には必ず公式情報をご確認ください。
こうして見ると「18時までOK」に見えますが、次の「売り切れリスク」が、その期待を裏切ることが多々あるんです。
閉店前の売り切れリスクに注意

嵐山の食べ歩きで最も注意すべきなのが、「公式の閉店時間」と「人気商品が買える時間」はイコールではない、という点です。これは本当に、声を大にして言いたいですね。
特に観光シーズン(春の桜、秋の紅葉)や週末は、18時を待たずして「実質的な営業終了」を迎えるお店が本当に多いんです。
【要注意】売り切れと商品別L.O.
閉店時間ギリギリを狙う観光には、2つの大きなリスクがあります。
- 売り切れリスクたとえば、先ほどの表にもある「古都芋本舗」さんの営業時間は「9時30分~18時」です。しかし、ここには「(売り切れ次第終了)」という超重要な注記が必ずと言っていいほど付いています。混雑する日は、18時よりずっと早い時間…もしかすると17時前、ひどい時はお昼過ぎになくなることだって考えられます。
- 商品別ラストオーダーもう一つの罠がこれです。「中村屋 総本店」さんは、お店自体は18時30分まで開いています。でも、食べ歩きの対象となる「フライ(コロッケなど)」の提供は、なんと18時まで。お店の明かりは点いているのに、お店の人が「ごめんね、コロッケはもう終わっちゃったのよ」と…。お店が開いていても、目的のものが買えないという事態があり得るわけです。
ですから、17時〜18時というのは「新しく来た観光客がゆっくり選ぶ時間」ではなく、「日中から観光していた人が、帰る前にお土産や最後の一品を急いで確保するラストチャンス」の時間帯だと考えておいた方が、絶対に良いですね。
寺院の拝観時間が閉店の理由
「それにしても、なんで日本有数の観光地なのにこんなに閉まるのが早いの?」と思いますよね。
これにはハッキリとした理由があります。それは、嵐山の観光経済が、飲食店単体ではなく「寺院」や「自然景観」と強く結びついているからです。
嵐山観光の「核」とも言える世界遺産「天龍寺」。ここの拝観時間は、8時30分~17時まで(北門は16時30分、受付終了は16時50分)と定められています。(出典:天龍寺 公式サイト 拝観案内)
天龍寺のようなメインスポットが17時に完全に閉門すると、どうなるか。当然、観光客の主要な流れ(人の波)がピタッと止まります。渡月橋や竹林の小径も、もちろん24時間通れますが、日が暮れると(特に竹林は)真っ暗になり、日中のような風情ある観光には適さなくなります。
お店からすれば、お客様が激減する暗い時間帯に、テイクアウト専門の営業を続けても、経済的に合理的ではないですよね。だから、天龍寺の閉門(17時)に合わせて、周辺の食べ歩きのお店も17時〜18時に一斉に店じまいをする。これが嵐山の経済サイクルなんです。
嵐山は、夜の繁華街(河原町や祇園)とは違う、「日中の観光地」である、という特性を理解しておくことが大切ですね。
食べ歩きのルールとマナー
ここで、嵐山の「食べ歩き」に関する、地元民として一番お伝えしたい大切なルールをお話しさせてください。これは営業時間と同じくらい、もしかするとそれ以上に重要なことです。
実は嵐山では、「歩きながらの食事(歩き食べ)」はご遠慮ください、と嵐山商店街や嵐山まちづくり協議会が公式にアナウンスされています。
「え?食べ歩きグルメなのに、歩きながら食べちゃダメなの?」と驚くかもしれませんが、これには深刻な理由があります。
なぜ「歩き食べ」は推奨されないの?
理由は大きく2つあります。
- トラブル防止のため嵐山は、特にシーズン中はとんでもない混雑になります。そんな中でソフトクリームやタレのついたお団子を持って歩いていると、すれ違いざまに他人の高価な服や着物を汚してしまう…というトラブルが実際に多発しているんです。
- 景観維持(ゴミ問題)のため「歩き食べ」をすると、当然「食べ終わったゴミ」が出ます。そのゴミをどうするか。残念ながら、そのへんにポイ捨てしてしまったり、関係のないお店の前に置いていったりするケースが後を絶たず、美しい嵐山の景観を損ねる大きな問題になっています。
だからといって「テイクアウトがダメ」というわけではありません。嵐山での正しいマナーは、以下のようになります。
嵐山の正しい「食べ歩き」マナー
- お店でテイクアウト商品を買う。
- 「歩きながら」ではなく、そのお店の前や、お店が指定したイートインスペースで「立ち止まって」食べる。
- 食べ終わった後のゴミ(串、紙コップ、袋など)は、ポイ捨てせず、購入したお店に「ごちそうさまでした」と一言添えて返すか、指定のゴミ箱(店内に設置されていることが多い)に正しく捨てる。
これが、観光客の皆さんと地域側、双方がハッピーになれるスマートなルールです。ぜひ、ご協力をお願いします!
嵐山の食べ歩きは何時までかの疑問を解決

嵐山の食べ歩きが18時にはほぼ終了してしまう、というシビアな現実をお伝えしました。では、もし17時や18時を過ぎてしまったら、もう何もできないのでしょうか?
いえ、そんなことはありません。ここからは「プランB(次善の策)」を詳しく解説しますね。モードを切り替えることが大事です。
17時以降の行動プラン
もし17時を過ぎてしまったら、まず「食べ歩き(スナック)」から「食事(夜ご飯・ディナー)」へと、頭を根本的に切り替える必要があります。
とはいえ、時間帯によってまだギリギリの選択肢が残されています。
17時台:ラストチャンス・ラン
17時0分~17時45分頃は、まさに「最終ラン」の時間帯。
- 「まめものとたい焼き」(17:00閉店)は、もう間に合わない可能性が高いです。諦めましょう。
- まだ間に合う可能性があるのは、18:00閉店のお店。「中村屋のコロッケ」(フライは18:00まで)、「嵯峨とうふ 稲の湯葉ドーナツ」(18:00 L.O.)、「ARINCOのクレープ」(18:00閉店)などです。
ただし、これは「売り切れていない」という幸運な場合に限られます。お店の明かりが点いていても、お目当ての商品が残っているとは限らない、という博打的な時間帯ですね。
18時以降:ディナーモードへ完全移行
18時を過ぎたら、食べ歩きスナックを探し回るのは非効率です。寒かったり暗かったりする中、閉まったシャッターを見続けるのは悲しいですからね。
この時間帯は、潔く食べ歩きを諦めて、「落ち着いて座って食事ができる、ディナー営業のお店」を探すのが賢明な判断だと思います。
18時からの夜ご飯(ディナー)
「でも、嵐山って夜に開いてるお店あるの?」と思うかもしれませんが、ご安心を。数は少ないですが、ちゃんと存在します。
ただし、18時を過ぎると、嵐山の「食」は明確に二極化する傾向がありますね。
1. 観光客向け・中心部・伝統和食
渡月橋や嵐電嵐山駅の周辺で、夜も営業しているお店。その多くは、客単価が3,000円~15,000円といった、本格的な和食店が中心になります。
例えば「湯どうふ 竹むら」さん(L.O. 19:50)や、星のやさん近くの「京 翠嵐」さん(L.O. 21:00)など、ラグジュアリーな空間でゆっくりと湯豆腐や京料理、懐石を楽しめるお店ですね。これはもう「食べ歩き」の延長ではなく、しっかりとした「夕食」です。
他にも、鰻屋さんや蕎麦屋さん、イタリアンなどでディナー営業をしているお店も点在しています。
2. 地元客向け・周辺部・居酒屋
一方で、夜10時以降といった深夜帯まで営業しているお店もあります。ただ、そういったお店は観光中心部(渡月橋周辺)から少し離れた「松尾大社駅」や「JR嵯峨嵐山駅」の周辺にある、地元客向けの居酒屋さんがメインになってきます。
観光の締めくくりに、というよりは、その周辺に宿泊している人や地元の方が利用するお店が多い印象ですね。
【要注意】ネット情報の罠に注意してください
嵐山のディナー情報をネットで探すときは、情報の「鮮度」に少し注意が必要です。
例えば、嵐山の洋食ディナーとして「STEAK OTSUKA(ステーキおおつか)」さんが紹介されていることがあります。非常に人気のお店ですが、店舗の個別情報を詳細に確認すると、営業時間は「11:00~14:30(L.O.)」で、ディナー営業は行っていないことが分かります(※執筆時点の情報です)。
一般的なリスト情報だけでなく、必ず個別の店舗の公式サイトや、信頼できるグルメサイトの最新の営業情報を再確認してください。特に夜の時間帯は、行ってみたら閉まっていた…という悲劇を避けるためにも、この一手間が大事ですね。
例外:ライトアップ期間の夜

ここまで「嵐山の夜は早い」とお話ししてきましたが、この原則が崩れる、唯一の例外的な期間があります。
それが、秋の紅葉シーズン(11月中旬~12月上旬)です。
この時期は、嵐山周辺の多くの寺院(例えば「宝厳院」や「鹿王院」など)で、「夜間特別拝観(ライトアップ)」が一斉に行われます。通常なら17時で途絶える観光客の流れが、17時半以降に「第二の波」として発生するんです。
この夜間需要に合わせて、一部の飲食店が特別に営業時間を延長する可能性はありますね。ただし、特設の屋台などが大規模に出る、という感じではないことが多いので、過度な期待は禁物です。
あくまで「通常期よりは、少しだけ夜もにぎやか」という程度に考えておくのが良いかもしれません。
「嵐山花灯路」は終了しました
冬のライトアップイベントとして「嵐山花灯路(はなとうろ)」を記憶している方も多いかもしれません。竹林などがライトアップされる、とても幻想的なイベントでした。
しかし、残念ながら「嵐山花灯路」は、京都市の財政難などを理由に2021年をもって終了しています。
その後継イベントとして、2025年秋には「嵐山月灯路(あらしやまつキとうろ)」(2025年10月1日~31日)という新しいイベントが開催されるようです。こういったイベント期間中も、嵐山が夜間に活性化することが予想されますね。
確実に楽しむなら朝が最適解
ここまで「何時まで?」という疑問と、その対策(プランB)をお答えしてきました。でも、嵐山の食べ歩きをストレスなく、確実に成功させるための「最強の戦略(プランA)」があるんです。
それは、発想を逆転させて「朝(午前中)に訪問する」ことです。
「嵐山 食べ歩き 何時まで」と心配するのではなく、「何時から?」と考えるわけですね。嵐山の多くのお店が開店する10時〜12時の時間帯。ここがゴールデンタイムです。
「朝の訪問」が最強なワケ
- 「売り切れ」リスクがゼロ「古都芋本舗」さんのような「売り切れ次第終了」のお店でも、開店直後なら確実に買えます。
- 「商品別L.O.」も関係なし「中村屋」さんのフライも、もちろん時間内です。全メニューから選び放題です。
- 「混雑」を回避できる観光客が本格的に増える前の、一番空いている時間帯に活動できます。特に竹林の小径は、人の少ない早朝の散策が最高に気持ちいいですよ。
私のオススメプランは、「朝9時頃に竹林の小径や渡月橋を散策 → 10時にお店が開き始めたら食べ歩きスタート → 12時頃に早めのランチ → 午後はゆっくり天龍寺などの寺院拝観に時間を使う」という流れです。
これが、閉店時間を気にしてソワソワすることなく、嵐山を120%満喫できる最適解かなと思います。嵐山の朝の静かな空気は、午後の混雑とはまったく別の魅力がありますよ。
嵐山の食べ歩きは何時までかのまとめ
最後に、「嵐山 食べ歩きは何時まで」問題について、地元民としての結論をもう一度、簡潔にまとめますね。
- 安全なデッドラインは「17時」17時を過ぎると人気店(「まめものとたい焼き」等)が閉まり始めます。18時には「売り切れ」や「商品別L.O.(中村屋のフライ等)」のリスクが激増するため、17時が実質的な限界時間と考えるのが安全です。
- 18時以降は「夜ご飯」に切り替える食べ歩きスナックを探し回るのは非効率です。湯豆腐や京料理、あるいは駅周辺のレストランなど、着席型のディナーを探すのが賢明な判断です。
- 「歩き食べ」はNG。マナーを守る地域のルールとして「歩きながら」ではなく「お店の前で立ち止まって」食べる。そして「ゴミは購入店に返す」。これが嵐山を楽しむための大前提です。
嵐山は本当に素敵な場所ですが、京都市内の他のエリアとは時間の流れ方が独特です。ぜひこの「17時の壁」を意識して、余裕を持ったプランを立ててみてください。
あなたの嵐山観光が、慌ただしいものではなく、美味しくて楽しい思い出でいっぱいになりますように!

